自身の運営サイトなどを売却することによって、多額の資金調達ができることで知られる「サイト売却」。その”サイト売却”を実現させるためには、どのような基準でサイトの価値が判断されるかを事前に知る必要があります。そこで今回は、サイトの売却額を算出するための3つの指標について、解説していきます。
結論から言うと、サイトの価値を知るための指標は全部で3つあります。
- 1つめの指標:サイトから発生する営業利益がどのくらいあるか
- 2つめの指標:リード(見込み客)がどのくらい取れているのか
- 3つめの指標:コンテンツの質と量はどの程度あるのか
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目次
1.サイトから発生する営業利益がどのくらいあるか
1つめは、営業利益です。
まず、運営しているサイト上で発生する営業利益が、とてもキーポイントになるということを覚えておいてください。
そもそも、営業利益とはそのサイトから発生する収益に対して、運営コストの経費を引いた数字のことです。
つまり、最終的にサイトの運営者にどれぐらいの利益が残るかを示す数字になります。
サイトの営業利益がどのくらいあるのか、ということがサイトの売却額を計算する上で、とても大切な材料になってきます。
「Aさんの営業利益の具体例その①」
例えば、Aさんが運営しているサイトの月間売り上げが、30万円だとします。
一方で、サイト運営で必要な経費を計算すると、合計で毎月5万円が必要です。
つまりこの場合、Aさんが運営するサイトの営業利益は25万円ということになりますよね。
また、Aさんがサイト運営を始めた1年目は、だいたい月でいうと営業利益としては10万円くらいあったとします。
そして2年目に15万円、3年目は20万円と徐々に上がっていき、現在の月間利益が25万円という結果になります。
サイトの価値を知る上で注意したいポイントは、サイトを売却するときに重要視される指標が、直近の営業利益になるということです。
なのでこの場合だと、直近の営業利益である月25万円という数字が、サイトの価値を計算する上でとても大切になってきます。
「営業利益の具体例その②」手作業でサイト運営する場合と外注によるケース
一方で、全て自分自身の手でサイトを運営しているのであれば、経費はとても少ないですよね。
固定費としては、基本的にドメイン代やサーバー代くらいしか掛かりません。
コンテンツ更新も自分で行えば、もちろんライター代などの外注費もかかりませんよね。
また、広告に出稿しなければ、宣伝費もかからないので、経費がほとんど発生しません。
その場合であれば、毎月のように掛かるコストとしてはせいぜい月々1000円程度です。
しかし、すべて外注によって成り立っているサイト、広告費などが毎月のように掛かるサイトに関しては話が変わってきます。
例えば、アフィリエイトサイトを運営していて、リスティング広告やSNS広告に出稿する場合は、一定の広告費が掛かってきます。
また、ライターの方に記事作成を外注する場合も、固定費が掛かりますよね。
その場合は、サイトの売上に対して、どれぐらいの経費が必要になるのか、という割合がとても大切になってきます。
もし仮に、月に100万円の売り上げがあるサイトだとしても、毎月の経費が80万円もあるなら、最終的に残る利益は月に20万円ですよね。
つまりこの場合、いくら売上の見栄えが良くても、営業利益という軸からその価値を評価すると、先ほど紹介したAさんのサイト(営業利益25万円)の方が、価値は高いと言えます。
まとめると、サイトの価値を図る上で最も大切なポイントとしては、最終的にどれくらいの利益がサイト運営者のポケットに残るのか、ということです。
2.リード(見込み客)がどのくらい取れているのか
2つめに大切な指標は、リードです。
リードとは、マーケティング用語で「見込み客」のことを表します。
つまり、あなたのサイトに訪れて広告をクリックしてくれたり、広告主の商品やサービスを実際に購入してくれそうなお客さんのことです。
もっと具体的に言うと、サイトに訪問してくれる月間のPV数や購読者数、会員数、フォロワー数などが当てはまります。
例えば、リードがたくさん取れているサイトでは、広告やアフィリエイトリンクを貼った際に収益が発生しやすいので、サイトとしての価値が高いということです。
月に数万PV、数十万PV、数百万PVと膨大なアクセスを抱えているサイトだと、それだけの訪問ユーザーに対して広告宣伝する事ができます。
もちろん、リードの数は多ければ多いほど良いですが、その量と同じくらいリードの質も大切です。
なぜなら、購買意欲の高いリードが集まれば、収益はすぐにでも発生するからです。
一方で、購買意欲が低いリードをたくさん集めても、大きな収益はなかなか発生しません。
まとめとしては、サイトの価値を知る2つめの材料として、あなたの運営サイトにどれだけ多くの購買意欲の高いリードがいるのかということが、大切になってきます。
3.コンテンツの質と量はどの程度あるのか
そして、最後の指標がコンテンツの質と量です。
あなたの運営サイトには、どれだけ質の高いコンテンツがたくさんあるのか、ということがサイトの価値を知る3つめの材料になります。
良いコンテンツの条件の一例としては、このようなものが挙げられます。
- 特定のジャンルに特化している(例えば美容、筋トレ、英会話など)
- ある程度の情報ボリュームがある(合計記事数が30以上あり、文字数3000~5000程度)
- SEOで上位表示されている(検索アルゴリズムから記事の質が認められた証拠がある)
例えば、これらのような条件が満たされていれば、コンテンツの質が高く、それなりの量もあると言えます。
そして、3つめの指標である「コンテンツの質と量」は、基本的に1「営業利益」と2「リード」の数字に相関することが多いです。
つまり、サイトのコンテンツの質と量がよければ、読者からのアクセス数も必然的に多くなるため、それに伴ってサイトの収益も増えるという考え方があります。
しかし一方で、サイトのコンテンツの質と量がそれなりに良くても、営業利益とリードに相関しないこともあり得ます。
例えば、サイトのドメインパワーが弱いせいで、なかなか記事が上位表示されなかったり。
あるいは、以前まではアクセスがあったけど、グーグルのアップデートやペナルティの影響で、一気にSEOの順位が下がってしまったりなど。
と、このように様々な理由で、コンテンツの質と量が正しくアルゴリズムによって判断されないケースも存在します。
つまり、コンテンツの質と量によってサイトの全体的な価値は比例しやすいですが、場合によってはいくら良かったとしても、営業利益とリードの数に比例しないケースもあります。
まとめると、サイトの価値を知る3つめの材料として、どれだけ多くの良質なコンテンツを抱えているのかという点がとても大切になってきます。
以上、いかがでしたか?
今回は、サイトの価値を知るための判断材料として、3つの重要な指標についてお話しました。
- 「営業利益(売上−経費)」がどれくらいあるのか
- 「リード(見込み客)」がどれくらい取れているのか
- 「コンテンツの質と量」がどれだけあるのか
今後、サイト売買を検討している方は、ぜひ参考にしてもらえればと思います。
なお、具体的なサイト売買の相場については、関連記事「気になるサイト売買の相場事情について」にて詳しく解説しています。