サイト売買の取引を進めるにあたって、欠かせないプロセスとなる「デューデリジェンス」。よく企業M&Aにおいても使われる専門用語のため、少しとっつきにくい印象を抱いている人も多いはずです。そこで今回は、サイト売買の取引をトラブルなく成立させるために最も重要となる「デューデリ」のやり方について解説していきます。
デューデリジェンスは通常M&Aでよく使われる言葉なんだけど、実はサイト売買の取引でもデューデリジェンスが行われることがあるんだ。でも、僕も最初はそんな専門用語のことなんてサッパリ分からなかったから心配しないでね。
俺たちの間では略して「デューデリ」とか「DD」っていう呼び方をしてるけど、サイト売買の取引が行われる最後の局面で必要な予備知識になるからしっかりと聞いてくれよな。
うーん、デューデリジェンスという言葉なんて人生で一度も聞いたことがないですね…M&Aとかなんか横文字が出てきて少し気が引けそうだけど、ぜひ詳しく教えてください!
デューデリジェンス(Due diligence)とは
そもそもデューデリジェンスっていう言葉は、M&A*でよく使われる専門用語なんだけど、買収対象とする事業や会社に対して行う詳細な調査を意味するんだ。
*M&Aは企業間の合併や買収の総称。 M&Aとは、「Mergers」and 「Acquisitions」の略で、直訳すると「合併と買収」という意味です。
ただデューデリジェンスと一言にいっても、下記のように様々な調査対象があるんだよ。
- 財務デューデリジェンス(利益が問題なくあるのがどうかの調査)
- 事業デューデリジェンス(事業に将来性があるかどうかの調査)
- ITデューデリジェンス(システムを引き継げるかどうかの調査)
- 顧客デューデリジェンス(顧客や取引先の価値をはかる調査)
- 技術デューデリジェンス(技術的な価値をはかる調査)
- 人事デューデリジェンス(人的資源の価値をはかる調査)
- 法務デューデリジェンス(従業員や取引先との間に契約問題がないかの調査)
- 税務デューデリジェンス(税の申告漏れや脱税をしていないかの調査)
- 環境デューデリジェンス(土壌・地下水汚染問題に特化した調査)
- 不動産デューデリジェンス(不動産の価値をはかるための調査)
通常数億円〜数十億円規模でM&A案件が取引される場合は、上記のようなデューデリジェンスの中から優先順位が決められ重点的に企業調査が行われる。
一方でサイト売買のデューデリジェンスでは、一般的に①財務②事業③顧客④IT⑤人事の順で優先順位が付けられることが多いんだ。
だけどサイト売却額が少ない場合やサイトの運営体制などによっては、上記の優先順位が変わったり、一部のデューデリジェンスが省略されることもよくあるんだよ。
例えば、②事業と④ITデューデリジェンスに関しては、買主側で事前に調査して判断をしたり、売主には簡単な質問だけして調査を終える場合もある。
だから、ここではサイト売買のデューデリジェンスでよく行われるプロセス①収益情報の確認②アクセス情報の共有③顧客データのチェックのやり方について、説明していくよ。
収益情報の確認
まず最初に、買主に伝えている収益情報を裏付けるために、広告収入の確定画面や銀行の振込データを用意する必要があるんだ。
これらの収益情報を確認できる証拠がなければ、いくら売主が「当サイトの収益は〇〇円です」と伝えたとしても何の意味もなくってしまう。
ちなみに、広告収益が確認できる資料としては発生段階のものではなく、広告収入が確定した最終画面のスクリーンショットが好ましい。
また、銀行会社(例えばゆうちょ)によっては、過去の入金データが2ヶ月分しか遡れないケースもあるので、こまめにデータを保存しておくか、楽天銀行のように24ヶ月分の入金データを長期保存してくれような銀行を普段から利用しよう。
アクセス情報の共有
そして次に確認されやすい事項が、月間のアクセス数や訪問者数の情報なんだ。その他にも直近のPV数だけではなく、これまでの経過が分かるような推移データも用意しておくと、サイトの成長性を判断するのに良い資料になる。
またアクセスだけではなく、どんな媒体(SEOやSNSなど)からユーザーがサイトを訪れているのかが分かる流入経路やキーワード調査、さらに被リンクや発リンクなど様々な情報を求める買主も少なくないんだ。
だからこそ、サイト売買を検討しているのであればグーグルアナリスティックス やサーチコンソール*を導入することが大前提ということを覚えておこう。
*Google Analyticsは、Googleが無料で提供するWebページのアクセス解析サービスです。サーチコンソールとは、Googleが提供するウェブサービスで、ウェブマスターがインデックス作成のステータスを確認し、ウェブサイトの表示を最適化できます。
顧客データのチェック
またリード顧客や会員を抱えているサイトであれば、ほとんどの確率で顧客データや顧客の管理方法をチェックされるものなんだ。
例えば、まず買主から顧客の獲得媒体や方法について聞かれたら、顧客の管理画面ツールを見せて欲しい言われるケースは多い。
なぜなら、顧客のデータというのはサイト収益を生み出すために一番重要と言っても過言ではないから、そこに対して詳細な説明を求めるんだよ。
通常、買主がチェックしたい具体的な項目としては下記のようになるんだ。
- 顧客管理ツールの確認(引き継ぎ可能かチェックする)
- お問い合わせ内容を確認(顧客への対応可否を判断する)
- 毎月獲得しているリード顧客の把握(アクセス情報と比較する)
- リード顧客に対して成約率の裏付け(収益情報との関連性を見る)
今回は専門的な話だったから少し難しかったと思うけど、ポインは「買主にとっての不安材料をいかに解消するか」ということなんだ。もし質問などがあったら掲示板にぜひ投稿してね。
あと俺がデューデリで気にするのは、過去に「検索エンジンからペナルティーを食らってないか」とか「今後このサイトが伸びそうか」とか「顧客リストが有効かどうか」とか「サイトの引き継ぎと運営が簡単そうか」らへんかな。
なるほどですね!今回もとても勉強になりました。私がデューデリジェンスを受ける時は、自信を持って対応できるように用意周到に準備して、スムーズにサイト売買を成立させます!

コメントを残す