THE ROOTS

INTERVIEW

情けは人の為ならず

髙井英城

横浜弁天通法律事務所髙井英城

略歴

大学を卒業後,平成18年度旧司法試験に合格。平成20年9月弁護士登録。平成31年1月横浜弁天通法律事務所開設。

現在の仕事についた経緯は?

私は昔からあまり欲が無いためか,大学生の頃まで何かを成し遂げようと思ったことも,そのために一生懸命努力をしたこともありませんでした。ところが,大学生の頃友人からレポートの課題を代わりにやって欲しいと頼まれたことがありましたが,自分のレポートを作成する以上に丁寧に調べてレポートを作成したのです。その時,私は困っている人の為に何かをする仕事が向いているのではないか,そういう仕事に就けば私自身一生懸命努力し,自分自身を成長させていくことができ,充実感を味わえるのではないかと思ったのです。そこで,困っている人の悩みを解決する仕事である弁護士になろうと思ったのです。

仕事へのこだわり

私が弁護士になり所属した事務所は,いわゆる「町弁」と呼ばれる,個人,企業問わず,困っている人が気軽に相談に来ることができる事務所でした。私が弁護士になった頃から思っていることは,「裁判に勝って感謝されるのは当たり前。裁判に負けてもあなたに依頼して良かったと思われる弁護士になろう。」ということです。そのため,依頼者に寄り添い,依頼者の話をよく聞き,依頼者の悩みを理解し,時には依頼者が話せない想いも察して,その気持ちを代弁するようにしています。他の弁護士が引き受けなかったような事案でも,依頼者の気持ちや状況を考え引き受け,依頼者の気持ちに沿った解決方法を考え抜き,最善を尽くします。そうやって一生懸命やっていると,次第に裁判官等の事件関係者も私の姿勢に理解を示してくれるようになり,想定していた以上に依頼者にとって良い結果になることがあります。
私にとって弁護士のやりがいは,事件を解決した時に,それまで暗い表情をしていた依頼者が,それまで見せたことが無い明るい表情をすることを見ることで,自分がしたことの成果をはっきりと感じられることです。交通事故の被害者で,完全に依頼者の請求が認められたわけではない事案でしたが,「事故の時に死んでいれば良かった。」と泣きながら呟かれていた依頼者が,解決した時に,「今は事故の時に死ななくて良かったと思えます。」と言われたときの晴れやかな笑顔は,何にも代えられない勲章のように感じられました。
弁護士になり10年が経ち,自分の思っている弁護士像により近づくために,独立して横浜弁天通法律事務所を開設しました。

若者へのメッセージ

私は,努力をすれば必ず報われるとは思いません。適した努力が報われるものだと思っています。適した努力をするためには自分を理解する必要があります。私は出来ないことが沢山ありました。それでも,私が楽しく出来ることで,かつ人の為になることを考え,一生懸命した結果が今だと思っています。仕事を選ぶときは,自分が楽しくできることで,人の為になることは何かという視点で考えると,自分の天職に出会えるかもしれません。でも,仕事は必ず誰かの為になっているものです。その誰かが喜んでいる姿を想像して,そのために一生懸命するだけで,その仕事が天職になるとも思っています。人への情けは必ず自分に還ってくるものだからです。

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