THE ROOTS

INTERVIEW

頼まれごとは試されごと

田中一善

株式会社なのはな警備田中一善

略歴

2002年 國學院大學法学部卒業。新卒で測量機・OA事務機販売業者に入社。2年で退職し、不動産業に従事。その3年間で不動産に必要な資格をすべて取得。退社後、友人の誘いで医療機器販売会社に入社。都内基幹病院の心臓カテーテル検査、PCIに数多く立ち会う。その後、2011年より(株)なのはな警備取締役に就任。本格的に警備業に携わる。地域活動として野田市倫理法人会会長、流山商工会議所青年部会長を拝命。現在に至る。

現在の仕事についた経緯は?

前職の医療販売会社では自分の将来に不安を感じ退職した。就職活動をし、1社から内定をもらったが、条件が折り合わずに内定を辞退。その後、就職活動をするも連戦連敗。自暴自棄に陥る。一度、自殺を考えたこともあったが、妻から『あなたは本当はやればできる人だ。私はいつでも応援しています』と言われ踏みとどまる。その後、現会社の責任者が突然会社を辞めることになり、創業者の父より『ここでうまくいかなければ、もうお前の面倒は見ない。死ぬ気で頑張れ』といわれ今の仕事をすることになった。まさに背水の陣であった。

仕事へのこだわり

まずは経営者の勉強会である倫理法人会の後継者倫理塾で今の自分に足りないことや自分自身について深く考え、理解することに努めた。その中で、自分自身で決めた実践項目をやり続けることを心に決めた。『はがきの実践』、『早寝早起き』、『月10冊以上本を読む』、『妻の話をちゃんと聴く』など項目は20以上に及ぶ実践を5年続けた。実践の中で私自身に足りなかったことは『素直さ』『継続力』だということに気づいた。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人生が変わる。まさにその通りだった。今までの自分を変えることで業績はどんどん上がっていった。経営者に必要なことは決断の速さと働きやすい環境づくりだということに気づき、他社がなかなか着手できない有給休暇の希望取得や社用車での現場移動、熱中症対策として空調警備服をいち早く導入し、従業員が辞めない環境づくりを作り上げた。結果、仕事の質が上がったと特に営業をせずとも顧客が増えていった。そして、最も大事なことは経営者自身が常にシンプルで心にゆとりをもっていることが大切だということに気づいた。今年に入り新型コロナウイルスによりイベント警備など若干仕事が減ったが、警備業者がやりたくてもなかなかできない全従業員へ休業手当を支給している。これにより一層従業員は定着し、会社への帰属意識が高まった。休業補償をきちんとできるためにキャッシュフローの改善と借り入れの見直しをしてきた結果、財務体質を改善し、会社自体に余裕ができた。私が入社した当時は自転車操業を続きてきたが、今では新型コロナウイルスで休業があったとしても1年以上は会社を持ちこたえさせられるほどに会社の基盤は安定した。今はいろいろな情報を簡単に手に入れることができる、それを選別するために本や講演会などで知恵を学んできた。そして自分が変われば仲間も変わる。商工会議所青年部活動を通じて、全国に刺激しあえる仲間が増えた。それが何よりの財産であると感じている。サラリーマンではできなかったことが、たくさんできる。本当に幸せだと常に感謝しながら今を生きている。

若者へのメッセージ

私自身は4度の転職を繰り返し、中途半端に投げ出してきた劣等生です。しかし、自分自身をよく見つめなおし、よく理解することがまずは大切だと思います。そして自分自身に足りないことを改善していくために良い習慣を身につくトレーニングが必要です。自分で決めたことを続けていくことができれば、自分の人生も環境も変わっていくことを実感できると思います。私自身、4度の転職について何一つ無駄ではなったと思っていると同時に、その時お世話になった先輩方に出来の悪い部下で申し訳なかったと謝罪したいぐらいの気持ちです。過去の事実を変えることはできないですが、過去の経験に対する考え方を変えることはできます。どうせなら過去の自分に対して肯定的であってほしいと思います。私は幼少期はネフローゼで入退院を繰り返し、小学校時代は体育の授業をしたことがありません。しかし、病気になったおかげで弱い人の気持ちも、病気の人の気持ちもわかります。健康であることのありがたさを誰よりも感謝できています。また、サラリーマンを経験したおかげで働きやすい職場がどんなものか従業員目線で考えることもできます。今、自分が置かれている状況がどうであろうと肯定的に受け止め、それを乗り越えた先には幸せがあると思ってください。結局、自分の人生は自分で生きていかなければなりません。どうせなら『元気に』『明るく』『楽しく』『仲良く』。小学校のスローガンのように常にポジティブで、そして自分自身を大切にしてほしいと思います。

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