THE ROOTS

INTERVIEW

好きこそものの上手なれ

近田侑吾

Co-cS株式会社近田侑吾

略歴

東京大学大学院工学系研究科 修了。外資系の大手半導体製造装置メーカーにて、技術者としてドラ イエッチング装置のプロセス設計とプロダクトマネジメントに従事。その後、コンサルティングファ ームに転職し、多数の製造業の開発現場にて、技術知見の見える化による品質向上や業務効率化など を支援。モノづくり業界のビジネスマッチングを手掛けるベンチャー企業を経て、2018年に同志と ともにCo-cS(コークス)株式会社を設立。これまで一貫してモノづくり業界に携わり、技術者とコ ンサルタントの両方を経験してきたことが強みである。 また、上記と並行して、技術経営修士(MOT)を取得。企業のイノベーション創出に必須である「人 財」に着目し、従業員のモチベーションを向上させるための目標設定プログラムを提案した。

現在の仕事についた経緯は?

学生時代より、世の中のモノづくりの活性化に幅広く貢献したいという想いがありました。
就職活動時には、製品の開発に現場レベルで携わる「技術者の経験」と、モノづくりを俯瞰的に考えて幅広い支援を行う「コンサルタントの経験」の2つが必要だと考えました。キャリアの最初は、大学・大学院で半導体材料について研究していたこともあり、半導体製造装置メーカーの技術者としてスタートしました。24時間稼働するお客様の工場で自社装置のメンテナンスを行ったり、新製品の導入プロジェクトをリーダーとしてマネジメントしたりしたのは貴重な経験だったと思います。

その後、技術者として一定の経験を積めたので、次はモノづくり業界に強みのあるコンサルティングファームに転職しました。そこでは、様々な業界・テーマでお客様とのワークショップを重ねながら、技術に関する複雑な知見を見える化し、部署間の連携を促進する仕組みや、開発の手戻りを未然に防止するプロセスを構築することなどに取り組みました。その後、世の中ではオープンイノベーションに対する関心が高まってきていたこともあり、多数の企業のビジネスマッチングの支援や世界中の最先端技術の調査などにも携わるようになりました。

現在は、私と同じようなバックグラウンドと志を持つ仲間たちとともにCo-cS(コークス)株式会社を設立し、大企業のみでなく中小企業または個人の方も対象としたモノづくりコンサルティングサービスを提供しています。ビジョンは「一人ひとりをイノベーターに」と銘打っており、我々のサービスを通じて、お客様の開発する製品・サービスに懸けられた想いを後押しすることに挑戦しています。
技術調査やセミナー・研修などの形でお客様のサポートを行っており、ありがたいことにファンとなってくれるお客様もどんどん増えてきています。

仕事へのこだわり

現在はCo-cSという会社を通じてイノベーターのためのプラットフォームを構築することに挑戦しているのですが、既存の枠を超えて真のプラットフォームを生み出すためには、次の3つを同時に提供できることが必要だと考えています。

① モノづくりに関する多数の技術情報
② 情報を整理・活用するための思考
③ アイディアや情報が共有される場

現在はコンサルティングサービスという形でこれらの価値をお客様に提供することに取り組んでいますが、今後お客様のモノづくり・コトづくりをより効果的に実現するためには、どのような提案の組み立て方が最適か、ということを常に考えています。
Co-cS(コークス)という社名の由来は、Co-creationとSublationという英語です。Co-creationは「共創」という意味で、志に共感できた人たちと一緒になって、新しい価値を創り上げることを指します。また、Sublationというのは「止揚」という言葉で訳され、あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、対立する思想・概念を持つ人とも手を取り合い、より高次元の解にたどり着く、といった意味を持っています。これらの概念を大切にしつつ、先ほどの3つの価値を意識することで、世の中に価値ある共創をたくさん生み出していくことができると考えています。

ちなみに、コークスという響きからは石炭を想像される方も多いと思いますが、実は社名には、「皆さんの火種になれれば」という気持ちも込められています。私のこれまでの仕事は、お客様と一丸となってプロジェクトを進めることが重要視されるものばかりでした。今後もお客様にとって密なパートナーであり続けられるように誠意を尽くしていこうと思います。

また、私個人としては、経営者として、どれだけCo-cSというチームを一枚岩にできるか、ということを意識することが多いです。個々の能力が高くても、その成果が組織に還元されなければ、従来のコンサルティングファームと変わらなくなってしまいます。そうならないように、組織内で価値観やビジョンについて議論することはよく行っています。試行錯誤の日々ですが、これまでになかった新しいサービス・価値を提供していけるという手応えもあるので、今後が楽しみです。

若者へのメッセージ

謙虚さと大胆さとをうまく使い分けながら、自分の在り方を見出していって欲しいなと思います。

私の場合は、キャリアに悩んだ時、自身の「できること」「やりたいこと」「やらなければならないこと」を整理してみるとすっきりしました。自身の価値観とスキルが明確になると、進むべき方向性や目標が見えてくると思います。

また、自身の目標が見えてくると、そこに向かってどのような道筋を辿ればよいかという選択肢も見えてきます。道筋を見極めるためには、自分の興味のあることにはどんどん首を突っ込んでいくことが重要だと思います。ただし、自分の考えが独りよがりにならないように注意してください。周りの意見を大事にしたり、相手に対する配慮を意識したりすることで、視野がさらに広がります。

私もまだまだ偉そうなことを言える立場ではありませんが、若手の皆さんとともに、より良い世の中を創っていくことに挑戦していきます。
一緒に頑張りましょう!

※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。