THE ROOTS

INTERVIEW

誠心誠意

梅原慶太

浜松南病院梅原慶太

略歴

1974年生まれ、東京都出身。一浪を経て国立浜松医科大学に進む。卒業後は整形外科医として修練。骨折や寝たきりの原因となる骨粗しょう症を専門とし、その啓発のために全国で200回の講演を行う。2018年浜松南病院院長に就任。家では犬とアボカド好きな2児の父。趣味は読書とバイオリン。

現在の仕事についた経緯は?

父が彫刻家であったこともあり、幼少時代家には余った材木や粘土、石膏などがいつもありました。全く裕福ではありませんでしたが、のこぎりやドリルは自由に使わせてもらえ夜遅くまで何かを作ったり修理したりして過ごしていたのを覚えています。ノミの表裏や木目によって刃の進み方が変わる魅惑的な感触が、骨を手術する整形外科医としてのルーツなのかもしれません。

小学生のころ、家族とよく見ていたテレビ番組「大草原の小さな家」に登場する町医者ベイカー先生が医療を志すきっかけとなりました。嵐の夜、患者のもとに馬車で駆け付ける使命感と優しさを純粋に格好いいと感じました。武力で悪を倒す戦隊ヒーローよりも医者の方が幼い頃の私にとって正義の見方でしたね。医師になってからは厳しい上司に恵まれ大抵のことはできるようになりましたが、ベイカー先生の足元にも及ばず今でもあこがれの存在です。

ある日、院長室に突然呼ばれました。お叱りを受けるのかと思いきや、勇退するので病院のこれからを頼むとのことでした。躊躇しましたが、若い力が必要だと説得され恩返しのつもりでバトンを引き継ぐことになりました。職員一人一人の顔と名前を覚え直し、ミッションに「患者さんのための病院、最愛の人を安心して託せる病院」を掲げ、その実現に最善を尽くすことを誓ったのです。

仕事へのこだわり

病院というのは医師や看護師はじめ様々な資格を持ったプロ集団です。決して楽な仕事ではないことを分かった上で、人の役に立ちたいと集結した仲間でもあります。ですから、意見と意見がぶつかり合う時には「優しさ」と「正しさ」というシンプルな基準がとても役立ちます。どちらがより優しいのか、どちらがより正しいのか、こう考えればみんなが納得できる結論に至れると信じています。人として、医師として、院長としてこの判断基準はこれからもこだわっていきます。

もう一つ大切にしたいのは前院長から引き継いだ“和”を重んじる精神です。患者さんや職員とはもちろん、他の医療関係の皆さんとも明るく仲良くしていきたいですね。

浜松南病院は浜松市南部の中核病院として成熟し、特に人工関節や骨折の手術、消化器疾患の診療においては世界に誇れる医療も提供できるようになりました。これからも正しさ、優しさ、和を大切にすることで職員にとっても患者さんにとっても魅力ある病院を目指していきたいと思います。

若者へのメッセージ

若い頃の職場選びは最大の自己投資です。整理整頓された環境で周囲がバリバリ働き、鬼の様に厳しい教育熱心な上司がいるといいですね。楽で待遇が良くても、だらだら不満ばかり言っている人に囲まれてしまうと自分まで腐ってしまいます。それから、この先どんなにAIが世界を席巻しようともどうか人間を愛してほしいです。Good luck !

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