THE ROOTS

INTERVIEW

「折れない心」

吉松 徹郎

株式会社アイスタイル吉松 徹郎

略歴

1972年生まれ、茨城県出身。96年東京理科大学を卒業後、アンダーセンコンサルティング株式会社(現アクセンチュア株式会社)に入社。99年アイスタイルを設立、代表取締役に就任する。同年12月、化粧品口コミサイト「@cosme」をオープン。「生活者中心の市場創造」をビジョンに掲げ、グローバルにビジネスを展開している。

現在の仕事についた経緯は?

学生時代はアメフトをやったり、アルバイトをしたりと、特に起業の準備もインターンシップもしない、本当にどこにでもいるような普通の学生で、社長になりたいという夢があった訳ではありませんでした。就職活動も目的を明確にしておらず、さまざまな業界の会社を受けていました。
当時就職氷河期と言われていた時代でしたが、運良く何社か内定を頂くことができました。しかし、会社を選ぶ段階で自分が本当に何をしたいのか分からなくなってしまい、このままではどの会社を選んでも「あっちの会社の方が良かったのではないか」と後悔してしまうだろうと思いました。そこで全ての会社の内定を辞退し、就職浪人をした後に、アンダーセンコンサルティングに入社しました。
入社してみると「こんなに頭が良い人がいるのか、こんなに先輩は仕事ができるのか」と愕然とする毎日でした。先輩や上司との差を少しでも埋められるように猛勉強し、プライベートも仕事も関係なく、一人前になるためには何をしたら良いかという視点で24時間動いていました。「時間で仕事をするのではない、アウトプットだ」ということを徹底的に教えてもらったこと、仲間をたくさん作れたことは、今でも私にとっての財産です。

仕事へのこだわり

コンサルタントの仕事をやめるつもりはまったくありませんでした。しかし、化粧品会社に勤務して商品開発をしていたパートナーが、使った化粧品の感想を人に伝えようとメールマガジンの発行を決め、「まぐまぐ」上で会員の募集を行ったところ、発行前にもかかわらず550名を超える登録ユーザーが集まったのです。
当時、最大のユーザー数を誇っていたまぐまぐで最も発行部数の多いメールマガジンが2700部程度だったことを考えると、驚異的とも言える数字でした。化粧品業界に注目することになった大きなきっかけです。1999年当時、インターネットを利用している女性はまだ少ない時代でした。ITを活用したマーケティングの話はたくさんありましたが、化粧品に特化すればビジネスチャンスがあるかもしれないと思い、化粧品業界に興味を持ち始めました。
化粧品業界は1兆5000億円のマーケットと言われ、広告予算を占める割合が大きく、成熟産業であるため「ネットなど、新しいマーケティング手法が活かせるのではないか」と考えました。そこで、従来のマーケティング手法によらない新しい手法、自発的な声を蓄積してユーザーや化粧品メーカーにフィードバックする方法はないか、と考えたことが「@cosme」の始まりです。
事業のことを考え始めてから2ヵ月後の1999年7月、ボーナスと結婚準備資金を元手に、資本金300万円で有限会社アイスタイルを設立しました。最初から起業しようと決めてからの出発ではなかったので、本当にお金もモノも、机とPCさえない状態でのスタートでした。気付くと夜の7時を過ぎる頃から、小さな部屋に20~30人の人が入れ代わり立ち代わり、さながら文化祭の準備をするような雰囲気の中、アイスタイルはスタートしました。

仕事の魅力は業界の仕組みを変えていけることです。新しく仕組みを作るのは楽しくもありますが、サービスの無いものを説明する事に苦労しました。今後は、まず化粧品業界の中でユーザーと企業をつなげる仕組み作りを確立したいと考えています。そして、世界にも目を向けて、日本と世界をつなぐことができるような仕組みを作っていきたいと思います。

若者へのメッセージ

私が若い皆さんに伝えたいことは、世の中は本当に変わるということです。私がビジネスを始めた15年前、学生だった20年前、いずれも今とは全く違います。皆さんが持っている感性がこれからの時代を動かしていきます。自分の生きていく道やこれからの世の中の可能性を信じて、ぜひ皆さんで新しい時代を作っていただきたいと思います。私も皆さんに負けないように頑張ります。

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