THE ROOTS

INTERVIEW

倜儻不羈(てきとうふき)

安田 正介

株式会社サンゲツ安田 正介

略歴

1950年生まれ。東京都出身。1973年、一橋大学経済学部卒業。同年4月に三菱商事に入社。2004年三菱商事株式会社執行役員機能化学品本部長。2008年4月より同社常務執行役員中部支社長。2012年6月に同社顧問。同月サンゲツ社外取締役就任。2014年4月、代表取締役社長就任。

現在の仕事についた経緯は?

私の両親は厳格な一面もありましたが、基本的には何事にも寛大で、比較的自由な環境なもと幼少時代を過ごしました。そのため中学に進学した頃から親の心配をよそに遊び呆け、学校に迷惑をかけてしまうこともしばしば。両親はしばらく静観を貫いていましたが、ある時、父は私を前にして涙を流しながら、「親父は情けない」と言い放ったのです。それが直接的なきっかけになったのかは定かではありませんが、私は少しずつ改心し、両親に迷惑はかけまいと勉強にも励み、一橋大学への進学を決めたのです。今でもその時の父の言葉が、私の礎になっているのかもしれません。

大学卒業後は三菱商事に入社し、大阪の繊維本部に配属。2年間にわたり繊維問屋を回りながら、商社マンとしてのイロハを覚えていきました。しかし私の中にふつふつと芽生え始めたのは、「もっと実力をつけたい」という思い。それから社内の語学研修制度を活用し、研修生として2年間のドイツ駐在を経験することになったのです。

帰国後は化学品グループに配属が決まり、様々な貿易業務に従事していきました。当時の仕事には失敗は付き物で、なかなか思うような成果を出せず悩んだ時期もあります。しかし、担当していた取引で長期契約を結ぶなど、目に見える結果が表れるうちに、自信が湧いてくるものです。忙しない日々を送っていましたが、それと共に得た達成感と自信は、現在にも繋がる大きな財産になりました。

その後、私は三菱商事を退社しましたが、ここで大きな転機が訪れます。商社マン時代から15年来の付き合いがあった、当時サンゲツの社長を務めていた日比賢昭氏から、社外取締役への就任を打診されたのです。

仕事へのこだわり

私には大変な重責ではありましたが、とにかく組織改革が急務な状況。半年間を費やして組織の問題点を抽出し、経営計画として具体的な指針を示していったのです。
これが後の「Next Stage Plan G」となり、最終的な中期経営計画が完成。そうした成果を評価していただき、社長就任を要請されるまでに至りました。
経営計画を練り上げるまでに芽生えたサンゲツへの愛情、これまで培った仕事に対する経験やノウハウを新しいステージでも活かしてみたいという強い野心が、社長就任への大きな後押しとなっています。

その後は社内での面談や取引先への挨拶回りなどを通じ、多方面から幅広く情報を収集していく活動に努めました。効果的な経営策を練るためには、まずは己を顧みていかなければいけません。その中で新たな発見があり、これまでとは違う価値観が生まれてくるものだと思うからです。

若者へのメッセージ

今後もそうした姿勢を忘れることなく、史上最高益を目標に掲げ、オーナー企業からの脱却を図っていきたい。そのためにも社員の意識改革に注力し、社員一人ひとりがサンゲツを背負っているのだという気概を持っていかなければいけないでしょう。真面目なだけでは変革は起こりません。時に生意気な言動が、組織の変革を促していくのです。決して容易いことではありませんが、難しいと思うからこそ、辛抱強く挑戦を続けていければと思っています。

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