THE ROOTS

INTERVIEW

東洋医学を極める

清野充典

清野鍼灸整骨院清野充典

略歴

明治鍼灸短期大学鍼灸学部(現明治国際医療大学)卒業。大東文化大学大学院文学研究科修士課程修了。現在、順天堂大学大学院医学研究科研究生。明治国際医療大学客員教授、早稲田大学文学部特別招聘講師等歴任。国内外での学会・講演多数。日本の47都道府県や100回以上の海外にある医学大学・医療施設視察を通じて、歴史上初めて鍼灸治療の体系化及び東西医学の融合に取り組んでいる。

現在の仕事についた経緯は?

幼い頃より清野治療所内で、瘀血(おけつ)治療をしている両親を見て育ち、東洋医学に基づいた自然に即した生活を行い、玄米食・自然食を主食として育ちました。病弱に生まれたため、海や山で身体を鍛え、ヨーガや様々な健康法を父親と行いました。小学生から自宅で読経をし、禅寺で食事をする生活をしてきました。中学生から空手を始め、高校生の頃は、滝に打たれ、座禅を行うなど、心身修養に努める環境を、常に父親が提供してくれていました。高校を卒業するときに、世界で初めて設立された鍼灸医学専門の大学への入学を父親に勧められました。「これからは西洋医学ではなく東洋医学の時代が来る」と言った父親の言葉を信じて、迷うことなく入学しました。以来、この道一筋に歩んでまいりました。東洋医学を極めることが、生きる源です。

仕事へのこだわり

鍼灸師免許を取得しても、すぐに満足な治療ができるわけではありません。針1本、痛みを伴うことなく刺す事自体修練が必要です。火傷することなく気持ち良い暖かさを伴ったお灸をする事も、訓練が必要です。来院される患者様の病態は多岐に亘っているため、膨大な医学知識を得るにも時間を要します。全てが不足している中で、毎日患者様の期待に応えるため、手段を選んでいる余裕はありませんでした。とにかく、どんな方法を用いてでも、少しでも患者様の状態を良くすること、ただこの1点に重きを置き、毎日臨床を行ってきました。そのためには、地球上に存在する、すべての鍼治療、灸治療のみならず、東洋医療と言われる柔道整復治療、按摩治療、湯液治療(漢方薬治療)を習得する必要があると考えました。また、カイロプラクティックやYOGA(ヨーガ)治療など、アジアや欧米の伝統医療にも目を向けました。
最新の現代医学にも常に目を向け、医学雑誌を読み学会にも参加しました。土曜日の夜や日曜日も休むことなく、当時実施していた全ての講習会に参加しました。
患者様は、十分な治療効果を得ることが出来なくても、症状改善に努力している姿勢を評価して、来院されたのだと思っています。今思えば、とても申し訳ない治療をしていたと思うこともありますが、常に全力で診療していました。その時出来る最大限のことを提供する、これが診療を行う際のモットーです。30年以上その生活を続け、47都道府県全ての医療現場を視察、100回以上中国・韓国・台湾をはじめアジアや欧米の各国で行っている伝統医療を学ぶために留学・訪問を繰り返した結果、東洋医学と西洋医学を融合した病態把握方法を発見しました。同時に、歴史上初めて鍼灸治療の体系化という途方もない目標を持ち実現に漕ぎ着けようとしています。この仕事を愛し続けた結果が、今を生んだと思っています。

若者へのメッセージ

私自身はまだ、何も成し遂げていないという気持ちでいますので、若者と同じ気持ちでいます。研究や臨床をしているときは、若者以上に毎日、危険を冒しています。しかしながら、それは長い経験と自信の裏付けに基づいた冒険であり、ある程度結果を予想しており、いつでも回避できるように用心しながら踏み込んでいる危険でもあります。若い時は何でも出来そうな気持ちになれる事、先が見えないため危険を顧みることなく先へ進む勇気を持てる事が、若者の特権ではないかと思います。やりたいことを見つけるためにも、常に挑戦し続けることが大切だと思います。
私はいろいろなことに挑戦する中で、新たにやりたいことを見つけてきました。
やりたいことが見つかれば、一心に前へ進むことで道が開けてくると思います。医療は昔からあります。古来より人の数ほど医療があると考えています。医学は、からだを分析する方法です。医学は基本的に1つです。医療を共通認識できる方法が医学であると考えています。医学研究は、医療を行う上で大事な基礎であり、様々な医療を考える道しるべです。私は、東洋医療専門の医療人ですが、医学研究している研究者でもあります。医療の専門家が医学研究を行っている数少ない一人だと認識しています。東洋医学の歴史や技術を研究したい若者、東洋医療技術を伝承してくれる若者を熱望しています。

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